
タイ・バンコク — 2026年8月3日
アジアを代表する決済ソリューションプロバイダーであるOmise Co., Ltd.(以下、Omise)は、規制産業向けのPrivacy-First AI基盤の開発に取り組む、非営利団体「一般社団法人AIデータ主権共創機構(以下、CODAS)」に参画したことをお知らせします。
今回の発表は、2026年7月31日に東京・渋谷のSHIBUYA QWSで開催されたCODASの公式ローンチイベントを受けたものです。同イベントには、設立メンバー、パートナー企業、研究機関関係者が集い、CODASはデータ主権を守りながら「日本発・秘匿AI」を推進するというミッションを発表しました。
Omiseは会員として、決済および不正検知に関する知見をCODASの研究開発・社会実装に提供し、金融機関が機密性の高いデータの関わる課題に連携して取り組めるよう、次世代AIモデルの開発に貢献します。
AIの導入が進む一方、日本では、機密性の高いデータをAIに活用する際、そのデータを外部に出すことなく、どこまで安全に管理できるのかという懸念が、企業によるAI活用の障壁となっています。こうした懸念により、多くの企業がAIによって得られるはずの成果を十分に享受できていません。各種調査によると、多くの日本企業がデータ漏えいをAI活用における最大のリスクとして挙げており、日本における個人の生成AI利用率も、他の主要市場と比べて依然として低い水準にあります。
CODASは、プライバシーの保護と技術の進歩は、どちらか一方を犠牲にするものではないという考えのもと設立されました。データ主権とプライバシー・バイ・デザインの原則を基盤とし、オープンな非営利団体として運営されるCODASは、「データ主権を手放すことなく、組織同士が安全に共創できる世界」の実現を目指しています。
この仕組みにより、金融、保険、医療をはじめとするさまざまな分野の組織は、それぞれが提供する情報を自ら選択し、単独の企業では収集できないほど多様で豊富なパターンを活用して、共通のAIモデルを学習させることが可能になります。その間も、各組織の顧客データは一貫して自社の管理下に置かれます。
結果、各参加組織のデータを現在の保管場所に留めたまま、単独の企業では把握できないパターンを学習し、組織間の連携を通じて進化するAIが実現します。企業にとっては、これまでよりも迅速かつ安全なAI導入が可能です。一方、社会にとっては、プライバシーを手放すことなく、AIの恩恵を享受できるようになります。
データを外部に出さずに不正を検知
Omiseは、CODASが金融分野で進める実装・実証の取り組みに参画し、金融機関を横断した不正検知などのユースケースに、決済業界の知見を提供します。
こうした不正検知における大きな課題は、不正を行う人物や組織が複数のサービスや事業者をまたいで活動する一方で、個々の企業が保有するデータから把握できるのは、その行動の一部分に限られることです。
CODASの協調学習の仕組みは、参加企業が自社の決済データを外部に出すことなく、自社のインフラ内で厳重に管理したまま、不正パターンを学習する共通モデルの構築に貢献できるよう設計されています。
Omiseの創業者兼CEOである長谷川潤は、次のように述べています。
「不正行為は企業の境界を越えて発生しますが、これまでのデータ共有に関する取り決めは、その境界を越えることができませんでした。CODASへの参画により、契約上の枠組みではなく、技術によってこの隔たりを埋めることが可能になります。
加盟店や利用者のデータを開示することなく、地域全体の加盟店と利用者を守るための不正パターンの検知に貢献できます。決済業界ではこれまで、プライバシーの保護と企業間の連携は両立が難しいものと考えられてきました。今回の取り組みは、その二つが必ずしも相反するものではないことを証明する機会になると考えています」
CODASローンチイベント:AIに求められる新たな秘匿性
CODASは2026年7月31日、東京・渋谷のSHIBUYA QWSにて、会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式のローンチイベントを開催し、本格的な活動を開始しました。
同イベントには、設立メンバーや研究パートナーのほか、金融、保険、テクノロジー分野の企業関係者が集い、CODASのミッションと今後のロードマップが紹介されました。当日は、CODAS設立の背景を紹介するオープニングセッション、「日本発・世界水準のプライバシー保護AI」の未来をテーマとした基調講演、プライバシー保護AIの社会実装について議論するパネルディスカッションが行われました。
CODASについて
【一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)】
CODAS(Co-creation Organization for Data Sovereignty in AI)は、「安心安全なAI社会」の実現を目指し、データプライバシー技術の研究開発とオープンソース化による社会実装を推進する非営利の一般社団法人です。現在、多くの企業がAI活用を進める一方で、機密情報の漏洩リスクやデータ主権の喪失といった課題に直面しています。CODASは、データを外部に出さずにAIを高度活用できる「Privacy-First AI」基盤の構築を通じて、これらの課題解決に取り組みます。
詳細は、CODAS公式ウェブサイト(https://codas-ai.org/jp)をご覧いただくか、info@codas-ai.orgまでお問い合わせください。
Omiseについて
2013年に設立されたOmiseは、タイ、シンガポール、マレーシア、日本、米国で事業を展開する、アジアを代表する決済ソリューションプロバイダーです。イノベーション、セキュリティ、パフォーマンスを重視し、急速に変化するデジタル環境における事業者のニーズに応えるため、サービスを進化させ続けています。アジア太平洋地域の決済テクノロジーに関する豊富な知見を生かし、米国では決済処理事業者の上位25社に選出されています。Omiseは、安全で信頼性の高いソリューションを通じて、誰もが参加できる持続可能なデジタル経済への移行を支援しています。
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